しじみの代表的な料理として、しじみ汁を紹介します。この記事では、農林水産省が紹介している島根県・滋賀県のしじみ汁を、公的資料で確認できる地域差の例として押さえたうえで、「三河の食卓」を運営する私自身が家庭で実際に作っている味噌汁を中心に紹介します。

砂抜きがまだの場合は、先に「しじみの砂抜き方法」をご覧ください。冷凍保存していたしじみを使う場合は「しじみの保存方法」もあわせてご確認ください。


公的資料で確認できるしじみ汁の例

農林水産省「うちの郷土料理」では、複数の県のしじみ汁が紹介されています。ここでは島根県・滋賀県の2例を、「これが正しい作り方」としてではなく、地域によって使う貝や作り方が異なる例として紹介します。

島根県

宍道湖(出雲地方)のしじみ汁として、ヤマトシジミと昆布・味噌を使う作り方が紹介されています。「シジミは水からヒトクラ」、つまり「煮すぎるな」という言い伝えがあり、冬は味噌汁、夏はすまし汁で食べられてきたとされています。

滋賀県

琵琶湖固有種のセタシジミを使うしじみ汁が紹介されています。島根県版とは異なり、味噌に加えてねぎを使う点が特徴です。セタシジミは殻がふっくらと大きく、身にコクがあるとされています。

このように、しじみ汁は地域によって使う貝の種類(ヤマトシジミ/セタシジミ)や材料が異なります。この記事では、どちらか一方を「正しい作り方」として扱うことはしません。


我が家のしじみ味噌汁

ここから先は、「三河の食卓」を運営する私自身が、家庭で実際に作っているしじみ味噌汁です。上で紹介した島根県・滋賀県の例とは別の、あくまで一つの家庭のやり方として読んでください。三河地方全体の一般的な食べ方や、公的に推奨されている作り方ではありません。

我が家では、だいたい次のように作っています。

  1. 冷凍保存していたしじみを、解凍せずそのまま使う
  2. 鍋に水と、冷凍したままのしじみを入れる
  3. 火にかける
  4. しじみの口が開いたら、アクを取り除く
  5. その後、約5分煮込む
  6. 顆粒の昆布だし・かつおだし・味噌(合わせ味噌)を加えて完成

具材はしじみのみで、他の具は入れません。現在、家庭でしじみを食べるときは、ほぼこの味噌汁で消費しています。

「口が開いたら」「5分煮込む」について

「口が開いたらアクを取り、その後約5分煮込む」というのは、我が家で実際にやっている調理方法であり、この手順だけで食品衛生上の安全性を保証するものではありません。

今回確認した公的資料では、貝の口が開くことを加熱完了の基準としている記載は確認できませんでした。厚生労働省は、二枚貝のノロウイルス対策として、中心部を85〜90℃で90秒以上加熱するよう案内しています。詳しい安全性については「しじみの安全性」のページをご確認ください。


栄養・健康効果について

しじみやしじみ汁には、「肝臓に良い」「二日酔いに効く」といったイメージを持たれることがあります。今回確認した範囲でも、しじみ汁を食べることによるこれらの効果を直接裏付ける公的・学術的資料は、十分には確認できていません。 そのため、この記事ではこれらの効果を主題として扱いません。

なお、「しじみの保存方法」のページで紹介した通り、ヤマトシジミを冷凍処理するとエキス中のオルニチンという成分が増加することが学術論文で報告されています。ただしこれは冷凍処理によるエキス成分の変化についての研究であり、しじみ汁という料理そのものの健康効果を示すものではありません。


安全性に関わることは別ページで

貝毒・鮮度の見分け方、加熱についての詳しい考え方など、食べる前の安全性に関わる判断は、この記事では行いません。 「しじみの安全性」のページをご確認ください。


次のステップ

砂抜きの方法は「しじみの砂抜き方法」、保存方法は「しじみの保存方法」をご覧ください。


情報源・確認日

  • 農林水産省「うちの郷土料理」しじみ汁(島根県) https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shijimijiru_shimane.html / 確認日: 2026年9月14日 / 対象地域: 島根県(宍道湖産ヤマトシジミ)
  • 農林水産省「うちの郷土料理」しじみ汁(滋賀県) https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shijimi_jiru_shiga.html / 確認日: 2026年9月14日 / 対象地域: 滋賀県(琵琶湖産セタシジミ)
  • 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html / 確認日: 2026年9月14日 / 対象地域: 全国(二枚貝の加熱条件は85〜90℃・90秒以上。貝の口が開くことへの言及なし)

この記事の内容は、上記確認日時点の情報です。 食べる前の安全性に関する内容は「しじみの安全性」のページをご確認ください。